桃の花咲く春のポタジェ・デュ・ロワ(王の菜園)に

ヴェルサイユのポタジェ・デュ・ロワ(王の菜園)の春

ヴェルサイユのポタジェ・デュ・ロワ(王の菜園)、冬の間だいぶご無沙汰していたのですが、この時期ならば桃や桜桃の花が見られるかもと、行ってみたら大当たり。


壁際のエスパリエ仕立ての桃の花がかわいらしく咲いてました。
花の時期は長くないので、お花見に成功した時の喜びは大きい(笑)

ポタジェデュロワ、エスパリエ
こちらにも!ダブルU型のエスパリエですね。
まだまだ風も冷たいけれども、この様子を見ているとやはり春です。

古くて新しい病害虫対策

樹種による開花時期の違いもあるのだとは思うのですが、花がしっかり咲いていたのは、やはりまず南向きの暖かそうな壁。


北側の壁沿いの洋ナシは、まだまだようやくポツポツと花が咲き始めたところ。ところで、幹の足元の白いペイントが気になります。以前には見たことがなかったのですが。尋ねてみると、病害虫予防のために石灰を塗っているのだそうです。

現在の環境保全型の維持管理では、かつて使われていた農薬や消毒薬は使えなくなりました。と言っても、病害虫がいなくなる訳ではなりません。それゆえに、病害虫対策の代案として、もっとずっと昔に使われていた手法が再び取り入れられているのだとか。

そういえば、最近、たまたま19世紀末のフランスの園芸季刊誌を読む機会があったのですが、害虫対策には益虫を活用すべし、という現在の話題と同じような内容のコラムがあって、時代がひと回りしてきている感覚を覚えます。

こちらは様々な灌木類のボーダー植栽。ポタジェの果樹の栽培区画は、リンゴや洋ナシや桃が主。ある空間の中での植物の多様性という意味ではかなり限られてしまいます。そこで、壁際のボーダーには様々な実のなる灌木や蝶や蜜蜂を呼ぶ灌木などを混植し、多様性を高めようという作戦。しばらく訪れていない間にも、ポタジェは確実に進化している。

変わらない端正な空間構成

ちなみに別の角度から眺めたポタジェ。

通路の緑化も現在の試みなので、かつての姿とは少しずつ外観を変えながらも、ススキのチップでマルチングされたエスパリエの列と、芝生になった緑の通路がきっちりとした直線で空間を構成しているのは、ポタジェの元々のフォーマル・ガーデン・デザインを踏襲する配慮です。

ポタジェ・カフェテラス出現?

さらに奥の区画には、いつの間にはカフェテラス的なしつらいができていました。と言ってもカフェはなさそうなのですが、勝手にピクニックしても良いのかしら?リンゴや洋ナシ、桃の花でポタジェ的お花見ができそうですよ♪

それにしても、ここは行く度に発見と学びのあるポタジェだなあと、いつもほくほくした気持ちになります。

最後にたどり着いたところは、近隣の小学生たちが育てる花壇。

彼らが好きな植物を選んで育てるのだそうですが、黄色の花が下向きについたちょっと面白い形の背の高いはフリチラリア。ルイ14世も大好きだったという時代もの(?)の植物で、ポタジェの中でも、さすがヴェルサイユらしさの現れが感じられるようです。

どんどん季節が進んでいます。庭仕事も庭を訪れるのもますます楽しくなってきますね♪それではではまた!

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