肖像画にみるイギリスの田園風景の意味とは
Thomas Gainsborough, Robert Andrews et sa femme Frances, 1748- 49 env.

すっかり遅ればせながら、2017年あけましておめでとうございます!

気がついたらだいぶ時間が経っておりました。
というか、年まで変わっていました(汗)。
ヴェルサイユの造園学校のコースも2年目、
慣れるどころか、課題がどんどん大変になり
今も追われる毎日です。
でも折角なので、記憶が現在進行中のうちに
学校生活のことなどもこれからもう少し書いていこうかなと思ったりしています。

肖像画にみるイギリス田園風景の意味とは

冒頭は、ゲインズバラによる18世紀イギリスの貴族の肖像画。
よく知られた絵なので、見覚えある、という方も多いでしょう。
なんのことはない、上品なカップルが田園風景の中に描かれた肖像画です。

趣味は狩りなんです〜、自宅の庭が猟場ですという風体で
猟犬を足元に従え、銃をもったオシャレな若い男性、
その横に佇む女性の素敵なドレスはパーティー用、などではなくて
実は田園の休日のためのリラックス・スタイル。
彼らの背景に広がるのはその広大な領地。
この時代、一斉を風靡したイギリス風景式庭園が遠くに広がります。
よくメンテナンスされた自然。
当時の庭園の自然の風景は、
クロード・ロランやプッサンなどの古典的な風景画がお手本でした。
あれ、描かれた自然から本物の自然を作るって??
そうなのです、相当逆説的な、人の望む自然風景。。。
(ここはもう少しつっこみたいところなので後日また。)
向かって右手にはよく実り、一部刈り取られた麦畑。
農作物の生産は、土地の価値としてさらに重要でした。
よき土地経営ができるということは、よき国政が担えるということ、
イギリスで政界に関わるには、まず大地主であることが必須でした。
広大な土地所有があってこその風景式庭園でもあります。
などなど、一枚の絵からも
イギリスの美しき田園風景、庭園風景の成り立ちが
どんどん読み解いていけます。

庭園や風景の歴史という視点から
美術作品を見なおすのも、なかなかに面白い。
また機会があったら書こうと思います^_^

イギリスの貴族はまず大地主、
ではフランスの貴族の特徴は?
18世紀になってくると、貴族たちばかりでなく
ブルジョワな市民の肖像画も多く描かれるようになってきます。
豪華な衣装で、その人の仕事や趣味などを示す小道具とともに
描かれる肖像画は、豪奢さからだけでは、その身分まで分からなくなってきます。
さて、フランスの肖像画で貴族を見分けるには...?

おまけ、フランス貴族の肖像画のお約束

答えは意外なところにありました!
Louis_XIV_of_France
こちらちょっと時代は遡りますが
フランス貴族の頂点、ルイ14世です。
この絵にヒントが。
ご存じの方はあるかしら?
ちょっと想像してみてください。

さて、
そうなのです、足元にご注目!
まさにダンスのステップを踏まんばかりのポジションですね。
肖像画が全身像でしたら、描かれている貴族の足元は
ダンス(バレエ)のポジションなのです。
ルイ14世は自身も舞台で踊っていたくらいですが、
ダンスはフランス貴族の素養として必須項目でした。
意外な、でもなんだか納得のいく、
英仏間のカルチャーの違いのエピソードでした(笑)。

本年もどうぞよろしくお願いいたします☆
今年は初のフランス庭巡りツアーも準備中、
近々こちらでもご案内いたしますね♬

 


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