地中海の庭

地中海の庭といっても、あまり聞き馴染みがないかも知れませんが、
南仏やスペイン、イタリアの地中海沿岸や、ギリシャなどの地中海性気候地域には、
日差しや乾燥に強いその土地特有の植物たちが、独特の風景を形作っています。

例えばオリーブの木やタイム、カレープランツなど、
乾いた南の太陽と風を思わせる植物たちのイメージです。

ドライガーデンの植栽などに以前から需要はあったのですが、
このところの温暖化が進むなか、
乾燥に強い植物たちに注目が集まるようになり、
地中海性気候の植物たち、
彼らと作る地中海風の庭の人気がますます高まっていて、
季節ごとのガーデニングショーなどで紹介されるほか、
南仏の庭園や公園ばかりでなく、
パリや近郊のガーデンでも、
地中海性気候の植物たちを見かけるようになってきました。

南仏プロヴァンスの延々と広がるオリーブ畑やラベンダー畑、
野生のツゲやコルクガシ、タイムやローズマリーが自生する野山の風景から、
夏はさらに乾いて荒涼とした印象になる
イタリアやギリシャなどの地中海の島々まで、
地中海の庭の守備範囲は広大です。

例えばギリシャ、エーゲ海の島々では、
雨が降るのは、冬から春先にかけて。
その後は乾燥した良い天気が続くので
バカンスには絶好の土地柄ですが、
植物が生育するには、なかなか厳しそうです。
とはいえ、オリーブの大木が並び、
海岸沿いにはタマリスの木々が植えられ、
港町や山の上の村では、
ブーゲンビリアやジャスミンが
白い漆喰の町並みに華を添えています。


トロピカルな南国とは少し違った、
乾いた風の吹く感じが心地いい。

強い海風が吹き付ける丘では
さすがに木が育つのは難しそうですが
カレープランツや、アザミや、
まだ判別できていないけど、ヤギが食べてた
ドライになるとトゲトゲの茂みになるハーブなどが
丸く小さな茂みを作りつつ、
頑張って生えています。
青空と太陽の光の下、
厳しい環境で頑張る植物たちと
ゴツゴツとした岩肌の丘陵の織りなす線で作られる風景は
ダイナミックで美しい。

ここがギリシャ神話の神々の土地だと言われたら、
そうなのかもな、と素直に納得してしまう神々しささえ感じます。

春先はまだ水分もあって、
緑の色も鮮やかで、花が咲き乱れるであろう草原も、
夏以降は荒涼としたドライな風景です。
一部の谷間などを除いて、
高木が育つには厳しい環境であることも多いので
全然木の存在が感じられない島もありますが、
夏の乾燥に強いオリーブやブドウが栽培されるほか、
荒涼とした乾いた草原ではヤギや羊の放牧が行われています。

そんなギリシャの島々の一角で出会うこの「地中海の庭」は、
南仏などとはまた違ったハンサムさのある庭。

植栽のボリュームが
周りのなだらかな丘陵のラインに呼応するように広がり、
一見境界が分からなくなってしまうほど
環境と一体化しているのが印象的でした。

家の建物に使われている土地の岩石を
庭のストラクチャーにも使っているので、
建物との一体感もあり、また
まったくの野原ではないのも主張しつつ、
外の自然との境目もあまり感じさせない
ステキな仕上がりになっています。

植栽する植物は、トライ&エラーを続けているけど、
要はドライな環境でも頑張れる植物よね。
あ、足元のは地元の野生のタイムで、すごくいい香りがするの。
と、湾を見下ろす絶景の庭を案内してくださったガーデナー・マダムが
目をキラキラと輝かせて話してくれました。
コンポストはこの土地では無理だと言われてるけど、
作ってみるわよ、ということで、
建築木材が予定の場所に積まれています。
思い切りトライ&エラーできるのが自分の庭の良いところ。

テラス近くにはブーゲンビリアやバラを這わせ、
家の建物の裏の高台にはたわわに実をつけたオリーブの木々。
花は咲くのに実がつかない、と嘆いていたけど
ザクロの木もありました。

そこに暮らす人間にも、
土地に寄り添ってつくられた庭は
無理がなく、心地よい。
そんなことを思います。

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