フォンテーヌブローの森さんぽ

フォンテーヌブローというと、
まず宮殿や庭園が思い浮かぶかもしれません。

そして、その宮殿と庭園を取り囲む
かつては王侯貴族の狩場だった広大な森は、
現在はボルダリングの聖地なのだそうで、
乗馬などのアウトドアスポーツ、
トレッキングコースが充実しており、
パリからも1時間程ということもあって、
絶好の休日のレジャーフォレストになっています。

和庭園を思わせる岩石と松の風景

そのフォンテーヌブローの森でまずびっくりするのが、
苔むした大きな砂岩の岩石群とその間に生えている
マツやシラカバの織りなす独特の風景です。
自然の技というのはすごい、と改めて感心する
そのまま和風庭園のような、
完成された簡素な美しさが印象的。

フランスでは日本庭園が好き、
と仰って下さる方が多いのが嬉しいのですが、
もしかしたら、こんな自然の風景からも
何か通ずる感性が育っているのかもしれません。

ゴロゴロした大きな砂岩の間を縫って
マツやシラカバやオークが群生し、
林床にはシダ類や、
足元は細かな砂地の小道になっていたりする
独特のフォンテーヌブローの風景の、
おおらか、なだらかなこの感じは、なんだろう?
そう、かつて(3千5百万年ほど前)この場所は
海底だったのだそうです。
そう言われると、なんだかそんな雰囲気がしてくるのが面白い。

芽吹き前の、色彩の少ない時期ですが
マツとコケの緑と、
林床の冬枯れのシダの茶色の組み合わせの
侘びた感じがまた、なかなかに良い。

春一番のスモモの木の花

そんななか、春一番の花があると
驚くほどの華やぎが感じられます。
この日は、大きなスモモ属の大木が
花盛りになろうとしているところでした。

他に先駆けて
寒さ厳しい時期に、蕾を膨らませて
春を感じる光や温度になると
誰も待たないで、ためらわずに咲ききる。
空に向かって花の咲く様を見ていると、
なんだか感動すら覚えてしまいます。

フォンテーヌブローの森とバルビゾンの村

バルビゾン派の画家たちが自然を描いた場所でもあります。
確かに、所々の老齢のオークの木などを見ると、
バルビゾン派の風景画がそのまま思い浮かぶよう。
現在のバルビゾンの村は、
綺麗に整備されて観光的な部分もありますが、
ギャラリーや画家のアトリエ、レストランなどが並ぶ
雰囲気の良い小さな村で、散策するのも楽しい場所です。
バルビゾンの村から森へのアクセスもあるので、
森の散策前後に寄ってみるのも良いかもしれません。

森を散策したこの日の夜は、
他に特別なことをしていないのに、ぐっすり熟睡。
森林浴効果も絶大だった模様です。
天気のいい日は外に出よう!

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