フォンテーヌブロー宮殿の庭園に [その3]

英国風景式庭園を散策

グラン・パルテールを越えて進んでいくと
宮殿の周りは、英国風景式庭園や
ディアーナの庭園などに囲まれています。

19世紀になってから作られた英国風景式庭園内は、
広々とした芝生の空間に
様々な珍しい樹種を含んだ木々が植えられ、
所々のフォーカルポイントに彫刻が配されています。

もともとフォンテーヌブローの語源は
Fontaine-belle-eau(美しい水の泉)ということで、
この土地も水質の良い水に恵まれた場所でした。
英国風景式庭園の中には
実際にFontaine-belle-eau(美しい水の泉)があり、
緩やかなカーブで形作られた小川が流れています。

そして圧巻なのがこの大きく育ったプラタナスの並木道。

プラタナスの並木道といったら、
現在では何の変哲もない印象がありますが、
アジア西部〜ヨーロッパ南東原産のプラタナスが
フランスに導入されたのは16世紀のこと。
フォンテーヌブローの庭園は、
最初にプラタナスの並木が導入された場所でもあり、
当時は最先端の、希少な樹種の並木道で、
きっとすごーくおしゃれな場所だったに違いないのです。
そんなことも思うと何だか感慨深く面白いです。

そして旱魃や公害にも強いプラタナスは
今や世界4大並木樹種の一つ、そういえば
新宿御苑にもプラタナスの並木道がありますね。


自然風の庭園部分の大きな木々は
宮殿の周りに広がるフォンテーヌブローの森をも想わせます。
年数を経た木々の植栽が大きく育っていくのは嬉しい反面、
当初の計画の風景とは自ずから変わっていくことも必須です。
見通しが欲しい場所が塞がれてしまったり、
灌木類がどんどん芝生のオープンスペースを侵略してきたり、
木々それぞれの組み合わせのバランスが崩れてきたり。。。

どの木を残して、どの木を取り除くかなどは
景観にダイレクトに響きますし、
様々な難しいポイントを含んでいるのが
庭園の維持管理なのだなあと、気がつく点が沢山あった見学でした。


最後に、ナポレオンがエレナ島に流される前に
最後の挨拶をした場所だというアデューの中庭。
庭師(ジャルディニエ)たちが芝生の端をカットする作業中です。
これは年に一回の手入れだそうですが、カットされてみると
実に芝生部分の幅が30〜40cm以上広がっているのにびっくり。
カットによって、中庭のパルテールの模様が
スッキリ美しく保たれています。
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お読みいただきありがとうございます。
ではではまた!

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