パリで花を買う|5月1日はスズランの日

パリにはおしゃれフローリストがたくさん。でも普段は週末の買い出しついでにマルシェの花屋さんで季節の花をがさっと巻いたのを買って帰るのでも十分。ミモザをがさっと、チューリップをがさっと、バラをがさっと、という感じです。シンプルに花が飾られたお部屋も気持ちがよいものです。

そして、花を買うといえば、フランスの5月1日はミュゲ(スズラン)を身近な親しい人に贈る日です。この日スズランをもらった人には幸運が訪れるといわれています。この日は誰でもスズランを売っていいことになっていて、街中で小さなスズランの花束を見かけました。思い出すと、なんとなく、赤い羽根募金の日のような印象。最近は日本のお花屋さんでもこのイベントを取り入れているお店が増えて嬉しいかぎり♡
ヨーロッパでは、16世紀にスズラン栽培が始まってまもなく、スズランを贈る風習が生まれたそうですが、スズランは「聖母マリアの涙」とたとえられて大切にされ、ブライダルに花嫁に贈る花としても良く使われるそうです。

スズランにまつわる伝説もあります。元々は森に自生し、春の訪れを告げる花であるスズラン。森の守護神である聖レオナールが森の中で恐ろしい毒竜に襲われ、必死に戦ってなんとか毒竜を倒したものの、自分自身も全身傷だらけで草の上に倒れこみました。そのとき、彼の血で染まった大地から白いスズランの花が一斉に咲き始め、彼の心身の大きな傷を癒やしたのです。そうした伝説からスズランは「癒し」「平静」「幸福」を意味するようになったとか。

スズランの良い香りを思い出される方もあるでしょうか。スズランの香りはバラやジャスミンと並ぶ、三大フローラルノートのひとつです。スズランをこよなく愛したクリスチャン・ディオールが生涯最後にプロデュースしたという「ディオリッシモ」もスズランの香りを再現したものだそうです。

最後に、この可憐で香りの良いスズラン、ご存知の方も多いと思いますが、実は有毒植物でもあります。根っこに特に強い毒性があり、活けていた水を誤って子どもが飲んで死亡した事故もあったほどです。食卓には載せない方がよいでしょう。美しい花には毒がある、の典型ですね。

 

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